子供のころ、ボクシングマンガ「あしたのジョー」を夢中で観ていました。
主人公の「矢吹丈」が得意としていたのが、「クロスカウンター」というテクニック。

ジョーが、ノーガード(両腕をぶたりとたらして、顔面をガードしない姿勢)でいると、相手は、ついついつられて左ストレートをジョーの顔面めがけて放ってしまう。

それが、ジョーの罠であり、その左ストレートに、ジョーの右腕をクロスする形でパンチを合わせ、相手の顔面にヒットさせます。

そうすると、相手は、攻撃中でガードができませんし、相手はこちらに向かってきているので、その勢いがそのままジョーのパンチに加算され、威力が倍増します。

その結果、相手をノックアウトすることができる、というものです。
ジョーは、このクロスカウンターをひっさげて、世界を駆け上っていきます。

私は、子供ながらに、このクロスカウンターを身につけたいと思っていました。
ところが、私が選択した職業は、弁護士。

クロスカウンターを身につける夢は封印されました。

ところが、弁護士の業務である「交渉」において、このクロスカウンターが復活します。

以前からあるテクニックなのかもしれませんが、私はある時、交渉におけるクロスカウンターというテクニックを思いつきました。

それは、まず「あしたのジョー」のように、相手が欲しがるであろう条件を目の前にぶらさげます。

しかし、自分からは提示せず、相手から欲しい、と言ってもらいます。

相手が要求してきたら、それに合わせて、こちらの要求をぶつける、という方法です。

威力が倍増します。

例を挙げましょう。

ももたろうは、きび団子と交換に、犬、猿、雉を鬼退治に参加させました。

もし、ももたろうが、野原で遊んでいる犬、猿、雉に近寄っていき、「君たち、それぞれにきび団子を一つずつあげるから、鬼退治に同行してくれないか?」と誘ったとします。

これでうまくいくでしょうか?

「いや、きび団子一つでは危険だ。10個は欲しい」
「きび団子で命なんか捨てられないよ。お金をくれ」

など、交渉が始まることが予想されます。

ももたろうでは、きび団子を腰につけ、犬、猿、雉の目に触れさせ、欲しいという気持ちにさせる、という要素が大切だったのです。

これが、ノーガードです。

そして、犬、猿、雉は、不用意に「ももたろうさん、お腰に付けたきび団子、一つ私にくださいな」と言ってしまいます。

これが、左ストレートです。

もはや、ももたろうからのクロスカウンターを防ぐことができません。

ここで、ももたろうは、タイミングよく、きび団子と交換に鬼退治を提案して、見事にクロスカウンターをヒットさせています。

犬、猿、雉は、虚をつかれ、交渉もせず、ついつい承諾してしまいます。
この交渉におけるクロスカウンターは、有効に機能します。

どのような場面で機能するか、メルマガでは書ききれませんので、書籍で解説をしました。
また、このクロスカウンターを使う際には、絶対に注意しなければならないこともあります。

それも、新刊に書きました。

ついに、Amazonで予約が開始されましたので、ぜひ予約をしてください。
「気持ちよくYESを言わせる方法」(文響社)
https://www.amazon.co.jp/dp/4866510404/

【編集後記】

ということで、新刊が出ます。

私たちは、日々、誰かに「イエス」と言ってもらいたい場面が無数にありますが、なかなかうまくいきません。

そこで、どうやったら上手にイエスを引き出すことができるのか、について単なるテクニックを超えた内容を書いています。

その中では、「なぜ、イエスを引き出してはいけないのか?」についても論及しています。

よろしければ、ご一読ください。
http://myhoumu.jp/zeisupport/201710.html

日々、知識を磨いていきたいと思います。
(*・`д・)ガンバルッス!!

今日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
そして、また次回もぜひ読んでください!

では、あなたに健康と幸せが訪れますように祈っています。