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管理職に昇進し、現場で仕事をするプレーヤーから、プレーヤーを管理するマネージャーへ仕事が大きく変化することがあります。

しかし、とくにスペシャリスト的な職業では、プレーヤーとして現場に出られない状況に、物足りなさを感じる場合もあります。

たとえば新聞記者の方は、取材をしたり記事を書いたりする記者から、記者たちの書いた記事を取りまとめるデスクに昇進した時に悩む人が多いと聞きます。

仕事にやりがいを感じられず、昇進したタイミングでジャーナリストとして独立することも多いようです。
私たち弁護士も、新聞記者と同じように現場主義の人が多い職業だと思います。

法廷に立って相手とやり合ったり、依頼者の相談を受けたり、代理人として交渉をしたりといった仕事がしたくて弁護士になった人は、管理職に就くと、つまらなく感じてしまうのです。

そのようなタイプの人が管理職になると「自分のようにできる部下はいない」と嘆き、無用に現場に口を出したり、部下が書類を作成した時、自分の思っているものと少しでも違うと全部書き直したりといった行動をしてしまいがちです。

実は私にも同様の時期がありました。

私は25歳で弁護士となり、法律事務所に入り、勤務弁護士として現場の仕事を行った後、29歳で独立。自分の責任で自分の事件を処理する立場になりました。

そして、自分の事務所の扱う案件、規模が大きくなったことから、勤務弁護士を必要とするようになりました。
そうなると、現場に出るよりも事件全体を管理するマネジメントに仕事の比重が移っていくことが予想されました。

しかし、一方で、「一流のプレーヤーになりたい」「弁護士はいつまでもプレーヤーだ」「現場で仕事がしたい」という迷いがありました。

勤務弁護士を増やすのであれば、今までのようにどっぷりと現場に浸かることはできません。
そこで、私は選択を迫られました。
私は、どちらの道を選ぶにせよ、自分を説得しなければなりませんでした。

私はこう考えることにしました。

「もともと、私は、法律を使って他人を助けることを目指して弁護士になった。
今、私一人で仕事をしているより、勤務弁護士を雇った方が、確実に扱うことのできる事件は増えるはずだ。

多くの事件を扱うことは、困難に陥っている依頼人を、より多く救うことができるということを意味する。
加えて、優秀な弁護士を雇い育成することで、自分だけではなく、人の頭も借りて、もっと高いレベルの業務が提供できるはずだ。

『自分ほどできる人はいない』と思えるような組織はまだまだ不完全なのであり、これを改善することで、自分が扱う仕事の量も質も高めていくことができるのだ」、と。

そして、今は、何人も勤務弁護士を雇って、より多くの依頼人を助ける仕事をしています。

考え方や判断は人それぞれです。
生涯一プレーヤーとして現場でやっていきたい、という決断をするのも、もちろん意義のあることです。

しかし、管理職として生きていく決意をしたのであれば、プレーヤーの時とは異なる新たなモチベーションを得るための意識転換が必要なのだと思います。

「人間は「自分でなければできない」と錯覚していることが多すぎる」
(ピーター・ドラッカー)

さて、好評の2冊。
雑談が苦手な人のために。

「雑談の戦略」(大和書房)
https://www.amazon.co.jp/dp/447979543X/

すでに4万8000部。
人を動かすのは、命令より質問です。

「『いい質問』が人を動かす」(文響社)
https://www.amazon.co.jp/dp/4905073499/

【編集後記】

先日、ついに8時間眠ることができました。
以前は、5時間くらいで目が覚めていましたが、体調管理のため、睡眠時間を延ばすようにし、7時間くらい眠れるようになっています。

若い人達は、「そんなの何時間でも眠れるよ」と思うでしょう。
しかし、年齢を重ねてくると、なかなか長時間眠ることが難しくなってくるのです。

また、「そんなに眠ったら、時間がもったいない」と思う人もいるでしょう。
でも、ぐっすり眠ると、体調が絶好調です。

絶好調の状態で仕事をするのと、寝不足状態で仕事をするのとでは、効率がかなり違いますね。
私は、これまでの色々な経験から、やはり、睡眠はしっかりとったほうがよい、との結論に至っています。

睡眠時間を確保するには、時間管理も大変です。
そのあたりも、更に工夫していきたいと思います。

今日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
そして、また次回もぜひ読んでください!

では、あなたに健康と幸せが訪れますように祈っています。