時間管理

ビジネス誌や自己啓発書の定番のテーマの一つに「時間管理」があります。

「時間管理」という言葉の定義ははっきりとしていませんが、すべき仕事の優先順位を決めて効率的に配分することで、タスクを遂行し、かつ高いパフォーマンスを挙げる方法といえます。

そのような方法論が巷に溢れているのは、多くの人が、

「仕事が多すぎる」
「時間が足りない」
「もっとよい時間の使い方があるはずだ」

と考えているからといえるでしょう。

私自身も、当メルマガや自著で、この時間管理に類することを書いたことが何度かあります。
しかし、実は、時間管理の前にすべきことがあると考えています。

というより、自分自身が時間管理の前に無意識的にやっていることに気づいたといった方が近いかもしれません。

私が時間管理の前にすることとは、「行動の取捨選択」です。

何をして、何をしないか、を決めることですね。
「なんだ、当たり前じゃないか」
と思うかもしれません。

しかし、「●●をしよう!」と決断した人が、「行動の取捨選択」をしたならば、「時間がなくてできなかった」などとは言えないはずです。

時間がないという人は、時間管理を検討するより先に、今までの行動を「捨てる」決断を意識的に行うことの方が大切なのだと思います。

1日24時間、私たちは何をして過ごしているでしょうか。

仕事、食事、睡眠、読書、テレビを見る、ゲームをする、飲みに行く等々、常に何かをしています。
「ただボーっとしている」というのも一つの行動といえます。

その24時間の中に、新たに何かの行動を組み入れようとすれば、必ず何かを押し出さなくてはならないことになります。

時間管理がいつも困難なのは、今までしていた行動を捨てないまま、新しい仕事を押し込む方法を考えているからではないでしょうか。

新しい仕事をしようとすれば、趣味の時間、遊ぶ時間を減らさなくてはならないかもしれません。

また、仕事の一部を自分でするのをやめ、部下に任せたり、外注に出したりという判断をすべきかもしれません。

これらには決断が必要なため、なるべく避けて通りたいと考えます。

結果、従来の行動はそのままに、新たな行動を押し込むノウハウ、つまり「時間管理術」がもてはやされるのだと思います。

従来の行動を捨てることから目をそらし、時間管理だけをしようとすることは、部屋に物が溢れかえっている状態で「整理整頓」を考える状態に似ています。

必要なのは、いわば「断捨離」です。

まず「行動の断捨離」をすることが、時間管理のスタートラインに立つために必須のことなのだと思います。

「時間を管理するには、まず自らの時間をどのように使っているかを知らなければならない」
ピーター・ドラッカー

【編集後記】

先週は、税理士の先生方を対象に、関与先からの損害賠償請求を回避する方法について講演をしました。
皆さん真剣に聞いていただき、関心の高さがうかがえます。

士業は他人の権利を守るため、仕事をしていますが、まずは自分を守らないと、他人のための業務に専念できないと思います。

自分に余裕がないと他人に親切にできないのと同じ原理ではないか、と思います。
税理士会の支部等での研修も受け付けておりますので、お声がけください。

今日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
そして、また次回もぜひ読んでください!

では、あなたに健康と幸せが訪れますように祈っています。